捨てる神あれば拾う神あり!そしてどんな苦労も乗り越えたある障害者の物語

出版元 03/23/2021
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ブラジルである若い夫婦に男の子が産まれました。その赤ちゃんはとても元気で産まれた瞬間、大きな産声をあげました。子供の名前はゲーブと言います。しかしゲーブのお産を担当した医者も看護婦も、そしてゲーブの両親もみんな産声をあげているゲーブを見て、息をのみました。そこにいる全員がゲーブの姿にショックを受けました。、ゲーブのお母さんは産まれてきた息子の有様にショックを受けノイローゼになってしまいました。もうどうしていいか分かりませんでした。この若くて貧しい夫婦は思い悩んだ結果、わが子を病院に置き去りにするという苦渋の決断を下しました。そしてある日、違う病院の非常口に毛布でくるんだゲーブを置き去りにしました。これはブラジルで産まれて捨てられたある赤ちゃんの実話です。

捨てる神あれば拾う神あり!そしてどんな苦労も乗り越えたある障害者の物語

みなしごハッチ

病院の非常口で置き去りにされていた赤ちゃんを見つけた看護師は、毛布をめくり一瞬にしてショックを受けました。治安の悪いブラジルでは、悲しいことに貧困やレイプなどで何らかの問題があって、子供が産まれたけれども育てることのできない人たちが、こうして赤ちゃんを置き去りにするケースは今まで多数ありました。彼女は診察のため、急いで赤ちゃんを緊急治療室に運びました。この後、医師たちは声をそろえて言いました。この子はとても特別な赤ちゃんだ!と・・・。

みなしごハッチ

特別な赤ちゃん、ゲーブ

親から捨てられ病院に保護されたゲーブは何も知らずに検査中も元気な産声をあげていました。しかし、この赤ちゃんは普通の赤ちゃんとは決定的に見た目が違ったのです。一体何が違っていたのでしょうか?ゲーブはハンハルト症候群という病気を患っていて、両腕と両足がない状態で産まれていました。これは20,000人に1人の割合で発症する珍しい病気で、あごや舌の奇形、手足の指が一部ないといった特徴があります。ゲーブのケースが特別だったのは、指だけでなく足や腕自体もなかったことでした。捨て子になっただけでなく、重度の障害を持って産まれてくるなんて何と過酷な運命なのでしょう。検査診察をした医師もゲーブに対して気の毒な気持ちでいっぱいになり、看護婦は目に涙を浮かべていました。しかし、ゲーブの鳴き声はその重い空気を吹っ飛ばすほど元気でした。

特別な赤ちゃん、ゲーブ

ゲーブ、孤児院へ

しばらくして、病院で検査が全て正常であることが分かると、ゲーブは孤児院に送られ養子に出されることになりました。看護婦は淡々とゲーブを孤児院へ送る手続きを済ませました。しかし心の中はゲーブの可愛い微笑みを見るたび、胸が張り裂けそうになりました。こんな手足がない赤ちゃんを引き取ってくれる家族はいるのでしょうか?養子として引き取られたとしても、彼には24時間の特別介護が必要となるため、一般的な赤ちゃんを育てるのとは責任の重さが違います。きっとゲーブは社会から切り離されて、寝たきりの人生を送ることになるでしょう。看護婦は本当に気の毒な人生の始まりだ思いました。

ゲーブ、孤児院へ

幸運の女神

しかし幸運の女神はゲーブを見捨てませんでした。アメリカ、ユタ州に住むある女性、ジャネル・アダムスは買い物中にゲーブのニュースをスーパーのテレビで見かけました。ゲーブのニュースを見たジャネルは帰路につきましたが、運転中もゲーブのことが頭から離れませんでした。ジャネルは壮絶な運命を背負いながらもスクリーンで明るく笑っているゲーブに完全に心を動かされました。ゲーブをブラジルから引き取ろう、ゲーブを新しい家族として受け入れようと夫のロン・アダムスを説得しました。ジャネルとロンは、この赤ちゃんを自分たちの養子にするためにニュースで流れていた会社に連絡し、二人に養子の意志があることを表明し、ブラジルへ行く準備をしました。しばらくして放送局から連絡があり、正式にゲーブを養子として引き取るための許可が下りました。しかし、何しろ国をまたいでの養子でしかもその子供が重度の障害者となるとゲーブの養子縁組の手続きはそう簡単には進みませんでした。

幸運の女神

ゲーブ、いざアメリカへ

養子縁組を申し出てブラジルへ渡りました。この養子縁組を成立させることは、ジャネルとロンにとって容易なことではありませんでした。手続きには非常に長い時間、たくさんの書類の準備、そしてとてつもない忍耐力が必要でした。アダムス夫妻は以前にも何人もの養子を迎えていました。アメリカ国内だけではなく、世界中で親に捨てられて困っている子供たちの里親になっていたのです。ゲーブのケースは障害者ということで、特別難しいケースでした。しかしそれでも2人は諦めず、ついにはゲーブをブラジルの孤児院からアメリカの自分たちの家に連れて帰りました。この手足も家族もなかった少年は、アメリカで新しく住む家、愛情あふれる両親、そして13人の兄弟姉妹を一気に手に入れました。

ゲーブ、いざアメリカへ

苦労

苦労は乗り越えられる人に起こると言われています。ゲーブが負った過酷な運命は苦労の連続でした。アダムス家に養子縁組に迎え入れられ、13人の兄弟の中で育っていくゲーブには明るい素敵な未来が待っているように見えました。しかし同時に彼には数多くの挑戦が待ち受けていました。学校では障害のことでいじめられました。見た目からして明らかな重度の障害、そしてそれを受け入れられないアメリカ社会の偏見、そして学校で受けるきついいじめが原因で、1年生の時に転校しました。ゲーブは大きくなるにつれ、自分の存在に対して絶望しました。時には死んでしまいたいと思うこともありました。彼は同級生とあまり話をせず、隠れてよく泣きました。ゲーブの人生は苦しみと葛藤の連続だったけど、彼の両親は、いつも自分でできる限りのことをするよう彼を教育し、逆境に負けないよう彼を厳しく育てました。

苦労

強く育て、ゲーブ!

人には言えない苦労の連続と挫折や絶望感、たくさんの困難に直面したたゲーブですが、両親に強く厳しく育てられたお陰で、何事にもめげずに頑張りました。そして両親に教えられた通り、独りでどんなことでもこなせるようになりました。読み書きだけでなく、携帯でメッセージを送ったり、服を着たり、シャワーを浴びたり、毎日の生活に必要な事全てを自分でできるようになったのです。また、車いすの使い方を自力で学び、いろいろな場所に独りで行けるようになり、12歳の時に 自分の意志でダンスを始めたいと思い、独りでダンスを覚えたのです!

強く育て、ゲーブ!

ゲーブとダンス

ゲーブは踊ることが大好きでした。体を動かすと気持ちもスッキリ、全てにおいて前向きになれました。ゲーブの運動神経は抜群で、鋭い音感とリズム感、そして他の人が使わない筋肉も発達していました。12歳から始めたダンス。しばらくして、ゲーブは、学校の誰よりも上手にブレイクダンスをすることができました。そして誰もがゲーブのブレイクダンスの切れの良さと回転の速さに驚き、彼のブレイクダンスの才能を認めました。ゲーブはあるブレイクダンスコンテストに出場し、第2位の結果を残しました。その頃、同級生からスタンディング・オベーションの技術を教えてもらいました。それは難しいブレイクダンスのテクニックでゲーブはその技術を障害者の体で身に着けるため、更に人一倍練習に励みました。ゲーブの心には完全に火がついていました。いつか絶対にブレイクダンスのプロになろうと!

ゲーブとダンス

モチベーショナルスピーカー

今までたくさんの挑戦と挫折を乗り越えてきたゲーブは、肉体的にも精神的にも明るく健康でたくましい男性に成長しました。ゲーブには誰にも負けない自信と真の強さがありました。ゲーブと出会った人は誰しもゲーブの強さに惹きつけられ、ゲーブは知らずとしてリーダーそしてカリスマ的存在になっていました。ある日両親からモチベーショナルスピーカーにならないかという提案を受けました。ゲーブがこれまでに経験してきた困難や実体験、失敗や挫折、そして並大抵ではない努力や成功を伝えることで、人々を勇気づけ、その人たちの隠れている能力を引き出せると考えたのです。

モチベーショナルスピーカー

素晴らしいキャリア

両親からの提案そして新しい課題、モチベーショナルスピーカー。果たしてこんな自分が人を勇気づけることが出来るのだろうか?と初めは不安でした。でもゲーブは今までの自分の壮絶な人生の経験を世の中に伝えたいと思いました。そしてモチベーショナルスピーカーになることを決心しました。それからゲーブは効果的に人前で話すパブリックスピーチのテクニックを一生懸命練習しました。こうしてモチベーショナルスピーカーとして何度も人前で話すようになり、プロになったゲーブは、あっという間に世界中で引っ張りだこになり、色々な国に出向いて講演をしました。寝たきりの一生を過ごすと思われたこのブラジルの少年は、今では世界中を旅して障害者だけでなく、健常者にも自信を与えています。

素晴らしいキャリア

愛と強さ

肉親に捨てられ、手と足がないという過酷な障害を持って産まれてきたゲーブ。ゲーブは、アダムス一家がこんなゲーブを養子に迎えられ、最愛の両親が彼をここまで育ててくれたことを本当に感謝しています。そんな家族は彼にとって最高の宝物です。一方、彼の両親は、ゲーブがたくさんの喜びを彼らに与えてくれたと思っています。「彼がいつもベストを尽くすように頑張っている姿は、私たちにいつも元気と勇気を与えてくれます」と父親のロン・アダムスはテレビのインタビューで話しました。私たちは誰もが可能性を秘めています。ゲーブの背負った過酷な人生は並大抵ではありません。しかし誰もがこの世の中で愛し愛され、そして失敗してもくじけずまた這い上がる、自分と戦い続け、更に強くなり人を助ける、ゲーブの人生物語はまさしく愛と強さの象徴ですね。

愛と強さ

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